1年程前から、Raspberry Pi OSの64bit版を開発しているというフォーラムの記事がありましたが、21年10月現在でも、リリースされていません。
そこで、現時点の64bit版の状況と、インストール方法、およびベンチマークの比較をしてみたいと思います。
本記事のOSは「beta test版」時点の記事です。
2022年1月28日に正式リリースされていますので、インストール方法等はこちらをご覧ください。
そもそも64bit版は何が良いの?
CPUが64bit(データバスが64本)以上の場合、64bit版のOSが利用できますが、32bit版に比べ1回のデータのやり取りで渡せる値が2倍となり、データの受け渡しや、演算処理に費やされる時間が半分となるため、処理速度が倍増します(実際には2倍までにはならないのですが)。
また、指定できるアドレスも増えるため、アドレス空間も増加します(Raspberry Piはメモリを増設できないので関係ありませんね)。
現在の状況
Raspberry Piの公式フォーラムの「Raspberry Pi OS (64 bit) beta test version」では、2020/11/16以降進展がないようですが、OSのダウンロード先では「2021/05/28」の更新がありましたので、現在も開発が進んでいるようです。
2022年1月28日に正式リリースされてました。
64bit版のダウンロード、インストール
ダウンロード
公式のココからダウンロードします。
「2022-01-28-raspios-buster-arm64.zip」の名前で保存されます。
インストール
簡単な「balenaEtcher」を用いて手動でインストールします。
詳しい手順は過去記事「Raspberry Pi のセットアップ」を参考にしてください。
ベンチマーク比較
Raspberry Pi 4で各OSを動作させ、性能比較のため「Unix Bench」を実行してみました。
結果、64bit版は32bit版と比較して、1.3倍ほど高速化していました。
OSの変更だけで高速化されるので、正式リリースが待ち遠しいです。
ベンチマークの結果を以下に記載します。
なお本値は、バックグラウンド処理でSSH及び、VNCも動作させています。